銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

写真店の銀塩写真の次ぎにくるものは?

2009.2.3

銀塩写真用のプリンター(ペーパープロセッサー)がたった1社1年で700台以上消滅したわけで今後はどうなるのだろう?

写真店でドライ化が進みE社のIJ(インクジェット)導入店が200店舗、N社のD701が70~80台でDNPの昇華型を合算すると600台位のドライラボが稼働中のようだ。それに対し、デジタルミニラボは年間280台位13年前年間4000台のケミカルのプリンターが導入されていた事と比較すると1/10以下に市場規模が落ちているらしい。今後も初期投資額が少なくデジタルの対応が可能な昇華、IJのドライラボが増える可能性が増しそうなのだ。サービスカウンターなどではやはり、小型で価格的にも負担の少ない昇華型が優位な位置にあると私は感じております。

米国でもドライ化が進みお客様が店頭受付でプリントした昇華のハガキサイズのものを持ち込んでくる人がぱらぱらおります。昇華もIJも悩ましい問題点があります。銀塩写真にはそれがないかというと、そうとも言えないのが、微粒面、絹目です。スタジオ撮影されたもので、コピーされたくないとか、指紋がつかないとかの理由であえて画質の悪くなる選択をしている所もなきにしもあらずです。微粒面+ラミネートという写真館まで現にあります。撮影専門会社がエンドユーザーにインクジェットで納品している会社もあります。

インクジェットペーパーの裏には英語で富士フィルムインクジェットペーパーとありますのでそそっかしい人ならば、銀写真か銀塩写真と誤解する人もいるでしょう。ショーレックスに入れられてもってきたのですが、案の定湿気か唾で数カ所がクッいている為にプリントがショーレックスの袋から引き出せない有様です。光沢感が妙にあり、持ち込まれたお客さんもケミカル処理の写真と誤解しておりました。

お客様はプリント画質はスルーしていてよく見ないと分らないと言われます。毎日、デジタルTVのコントラストの利いた映像を見ていると慢性化し当たり前でそれに馴されしまっていると思います。水墨画の微妙なディティールの美術や文化の歴史のある国が何処に向かっているのだろうか?

いずれ、160年(富士フィルムは170年)以上続いた銀塩写真は消滅すると思いますが、では次に何が来るかというと言う事になりますが、その前にプリント品質基準の総合判断が不可欠だと思います。候補として最有力なのはインクジェットだと思いますが、耐候性、表面のプロテクト、紙質の弱さ、吹き付けられた粒子の粗さ、複写など2次利用する時の粒子の粗さ、現状ケミカルの写真と比較すると明らかにインクジェットは劣っています。しかし、インクジェットは日々技術的進化を遂げていますから、最先端の現場では写真技術の延長線にあったものがどんどんインクジェットを利用したものに移行しています。

ケミカルの写真がインクジェットの大量広告でマーケットを奪われただけ、日々インクジェットのクレームは写真店に投掛けられます。

総合品質ではフィルムで撮ったものは銀塩写真にまさるものはないというのが私の結論です。

Gogle検索で銀塩写真検索で30番台に入ったのは、銀塩リスペクトのAsサイトでも97年以来なかったことです。この場をかりて銀塩写真の基本的な事を言いますと、多くのフィルムカメラユーザーが善意の誤解をしていると日々接客で感じております。

全国の多くの方から、昔の写真に出会えたと奥深い驚嘆の便りが寄せられております。デジタルとの違いは粒子が確認できることです。高画質デジタルとうたっている写真店が導入している一般の方が言う現像機(ペーパープロセッサー)はフィルム現像したフィルムをスキャナーで一担デジタルデータに変換したデータをプリントしているからです。その違いは過去のこのBLOGで紹介してますから確認して下さい。

銀塩写真は160年以上続いている光線と化学変化をベースに処理してできる伝統ある方法で作成しています。フィルムの感度によって微粒子にも、ISO1600のように少し荒れた粗粒子っぽい仕上がりになります。そこが大きな特徴です。

ロールの印画紙(185m,90m etc)もデジタル用印画紙が台頭してきており、メーカーによりますと調子が派手目にデジタル対応していると言っております。あらゆる材料、機械がデジタルにシフトしていて、難しくなっているのが実情で、ご理解頂きたい点です。

サイトetcで写真店の個別の仕上がりの点に言及しているようですが、技術の上手、下手は何につけても言える事ですから敢えてその事に触れて書き込む意味が私はないと思っております。日常使いで銀塩写真を2次利用した場合、デジタルの銀写真、インクジェット出力、したものの総合的判断に欠けていると、感じております。

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