銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

QSS2301型銀塩写真プリンターのパーツ取りをしているプリンターのこと

2014.1.16

この綺麗なプリンターが北海道旭川で使っていたものを譲って頂き運んでもらいました。2012年に北海道にあった最後のQSS2301型です。ブライダの専門の技術者が丁寧に使われた様で、2台とも製造年は1997年製であるのにも関わらず、部品取りの方が綺麗です。iXというAPSの5社連合の共通マークがこちらは、薄赤です。

店の1Fには、こんな大きな機械が2台あり、フィルム現像機 QSF V-30が暗室の手前にあり、PCやら、Tシャツのプレス機があるので、外から見たら、スタジオとは思われないかもしれません。

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ペーパーマスク用のPMドライバーを外したところです。何の部品を外したかを忘れない為に黄色のタグをつけています。どんどん部品が無くなっていくのがかわいそうですが銀塩写真を続ける為には仕方がない事です。

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ご常連のお客様には、馴染みのあるQSS2301型です。iXの文字が白いシールが貼られています。元は横浜のアルバム専門の製造会社が使っておられたプリンターです。永くこちらのBLOGを見て下さっている方は、ご存知でしょけれど、その前までは、QSS1901型というズームレンズのプリンターではなく、6切り以上全て、ブローニー、も含めNikonの固定焦点レンズで焼いておりました。2011年に、輪番停電の時に東電に過電流を流され電源部を損傷し、ストックしていた電源部のパーツが底をつき、安全策として、QSS19型(一九さん)から、現行機械にしました。何故、23型かといいますと、街の写真屋で扱えるレベルでは、プリントサイズが小半切(A3ワイド)が焼けて、デジタル化しない最後の大きなプリンターだったからです。

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こちらが、山洋製のPMドライバーです。今回連鎖的に壊れてしまったもので、印画紙のマスクの縦方向を制御して動かす為のものです。

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今考えますと、予兆として、デイリーセットアップという、プリントの基準を取るテスト用印画紙の3段階のグレーを読み取りセットしています。その3段階の区切りが黒くなったのです。これが不調の兆しで、5回同じ事をやりましたが、5回ともNGで、その夜縦方向のPMドラーバーが壊れている事が分かりました。

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空白になったPMドライバーのあった場所です、手前のぼけているPMドライバーは、正月3日トラブルがあったパーツです。

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4個のヒューズのうちのF23と言うのが切れているのが分からず、3日迷走してしまったものです。

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MPドライバーの入り切りを繰り返しやっていると、破損してもいけないので、100均のピンセットを改造してコネクターのフックを外しやすいものを作りました。QSSのコネクターは、ほとんどオリジナルで、部品も在庫がありませんので無理が禁物です。

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また、銀塩写真はハロゲンランプでネガフィルムに露光しますので、相当高熱に晒されていてプラスチックが、ひび割れている所もあります。ランプハウスというハロゲンランプとフィルターが入っているこちらは、黄変しています。様々な種類の樹脂が使われていて、ABS樹脂、PEE樹脂etcですが、経年劣化が見受けられます。

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