銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

印画紙の裏の数字だけでは分らない数字の話。キー補正というところでは、表の数値と裏の数値がある。

2014.5.31

何故銀塩写真にとって、印画紙のことをにこだわるかと言うと、料理で言えば、料理人が食材を吟味する事と似ている。いい食材なしに、いい料理はないだろうし、その基本に忠実にという事が大事という事になります。また印画紙を同じロットから新しくする度に、その印画紙の標準化をしなければなりません。それは、保有する印画紙全てに言える事です。

プリンターのセットアップの前提になるペーパーセットアップととります。

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新規の印画紙のテストピースを作ります。その印画紙を機械に中にある濃度計(デンシトメーター)で計測します。その色はこのように暴れてきます。グレーにはほど遠い感じです。グチャグチャと走り書きで、読めないかもしれませんので、Y +3.8 M +4.2 C 0 D -1.9というデータです。標準的グレーにする場合、どの色のフィルターを使い何%必要かという事を表しています。この緑がかった灰色を標準化する為に黄色を+3.8加算してね。ということです。更にマゼンタに至っては+ 4.2加算して下さい。濃度に関しては、濃すぎるので、―1.9引いて下さい。という情報です。

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色調の補正は、例外を除き2色をバランスをとりながら、色を変化させてゆきます。2度目を先程のデータを読み込ませたあとにもう一度グレーを焼いて確認します。以前も部品が壊れているとこのBLOGで紹介させてもらいました調光フィルターにレンズを通過させないで、露光秒数のみのタイミングでグレーを作るようにします。レンズのファクターを入れない為です。光線のみで焼くというイメージです。

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2度目のペーパーセットをプリントします。結果は、、、

Y -0.1 M -0.1 C 0 D +0.2 という結果になりました。0.3以内であれば完了という事になります。

一回目がこのようなデータで Y +3.8 M +4.2 C 0 D -1.9という事でしたから、旨く収まるかと按じましたが、大丈夫でした。

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0.3以内という数値ですが、この機械は、プロも使う機械なので奥が深く仕様をカスタマイズして使うという事にもなります。マスターデータというところで例えば、保守点検と言う、更に奥にマスターデータという所があります。色々と調整が出来るのですが、キー変化率という調整です。

あるお店では、1キー補正すると、ドラスティクにかわるところ、俗にいうプリントショップetcのありがちなお店です。

キー変化率補正はカラーキー補正と濃度キー変化率と2ヶ所あり、135(35mm)用と120(ブローニー)フィルム用のそれぞれ合計4ヶ所の調整が出来るようになっています。細かに調整出来るようにしたほうが、焼き手が面倒でも細かに調整出来る方がいいに決まっています。

フィルムは写真を得る為にあり、写真はネガに光線(ハロゲンランプ)をあてて作るものです。

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