写真用語辞典

写真用語辞典 ら行

写真用語辞典

ら行

ライティング
写真的表現方法・手段の1つで、被写体を描写するうえでの効果的な照明法。被写体、バック、カメラ、ライトの相互関係によって、多様な基本的バターン(定石)が考えられている。フロントライト、プレーンライト、サイドライト、レンブラントライト、ラインライトなど、いろいろな方法がある。
ライティングコントラスト
メインライトとフィルインライトの両照明を受けている最明部と、おもにフィルインライトの照明を受けている陰影部の、照明光の強さの比。ライティングレシオ。照明比。場合によりメインライトとフィルインライトの照明光の強度比をいうこともある。
ラチチュード
被写体の明暗のスケールを、写真画像の濃淡として表わすことができる光量比の範囲をいう。ネガ感材では、特性曲線の足から肩の横軸範囲が被写体の再現域で、これをラチチュードという。また特に直線部の区間がもっとも忠実に再現するので、この間をラチチュード(寛容度)といい、足から肩までを全域ラチチュードということもある。寛容度と同意語である。
粒子
微細なつぶをいう。写真乳剤のハロゲン化銀結晶を乳剤粒子、銀画像の不規則な形状の銀の集塊を画像銀粒子という。
粒子サイズ
写真感光材料に使われるハロゲン化銀のように、粒状になっているもの(特に結晶体のもの)の大きさ。通常は球形と仮定したときの直径で表現するが、薄板状の結晶粒子の場合は、板の径で表現する。また投影面積や体積で表わすこともある。多くは写真乳剤中のハロゲン化銀粒子が対象であるが、現像銀粒子やコロイド分散粒子なども対象となる。
粒状性
画像を構成している粒状構造の疎密の知覚。画像に見受けられる粒状構造の疎密に関し、視覚的な感覚で知覚されるものであり、一般に心理的粒状性と呼はれている。測定は当然視覚的な方法がとられ一対比較法や粒状構造が見えはじめる拡大倍率、あるいは一定倍率のものについて、粒状が見えはじめる観察距離を求める方法などがある。物理的に求める粒状度(granularity)に比較して、客観性、精度の点で劣るが、実際に観察した画像の粗さの感覚にはよく適合する。また、graininessとgranularityを総称して粒状性と呼ぶこともある。
ルクス
照度の単位(国際単位系)。1平方メ−トルの面積に1ルーメンの光束が一様に作用しているときの照度(照らされている明るさ)。単位記号はlx。
11x=1lm/平方メ−トル
ルーペ
ドイツ語のルーペ(Lupe)で、虫めがね、拡大鏡とも呼ばれる。レンズの焦点内に物体をおいて、拡大された虚像を見るもので、焦点距離の短い収束レンズ(凸レンズ)。焦点拒難が短いほど拡大倍率が大きい。
ルーメン
光束の単位(国際単位系)。1カンデラの一様な光度(明るさ)の点光源が、立体角1ステラジアン内に発する光束。単位記号は1m。
レイアウト
印刷紙面ノ対し、写真、絵、文字、画線など、各素子の平面的配置をきめる割付け作業をいう。
レタッチ
写真製版に用いるネガ、ポジの調子、色バランス、網点の減力などの修整を特に部分的に行う作業を総じていう。熟練されたレタッチマンによって行われる。修整の項を参照。
レチキュレーション
乳剤膜に細かいちりめん状のしわが発生する現象をいう。乳剤膜の物理的強度が弱く、アルカリ浴により、十分膨潤されているとき、急激に硬膜したり、温度差を与えると、発生しやすい。その発生の機構としては、乳剤膜表面と内部との問の膨潤度の差のために、応力が増大し、非可逆的な膜面破壊が起こるものと考えられている。
レンブラントライティング
ライト位置が(リム)−(ミディアム)のポートレートライティング。オラソダの画家レンプラントが好んだ採光法のためにこの名がある。シャドー部が多く、比較的高コントラストでローキーな描写を得る。立体感を強め、性格描写に適す。また、バックは黒バックがよい。プレーンライトでカメラポジションを主光線の反対側にとる場合と同じ。ライトポジションの項を参照。
レタッチソフト
写真や絵画などを修整したり加筆すること。デジタル画像においては、パソコンでコントラストや色調を調整したり、画像を加工するなど、幅広い意味で使われている。パソコンでレタッチするために使用するソフトウェアをレタッチソフトやフォトレタッチソフトという。
ロケーション
撮影所から外へでて撮影すること。
ロケハン
一般に、撮影所から外へでて撮影をする撮影場所を探しだすことをいう。また、その目的のなかには撮影に付帯する必要な事柄(光線状況など)を含める場合が多い。
露光
写真感光材料の感光面が光で照射されること。
露光域
露光域とは、露光量の範囲をいう。写真感光材料の露光域は、その感材で、露光量の変化が、写真として有効な画像の濃淡となる露光量の範囲、あるいは露光量の大小を、濃度として表わすことのできる露光量の範囲(全露光域)をいう。
露光不足
撮影や引伸し、密着焼きなどの際、露光が不十分で適正な光量が与えられないこと。
露光ムラ
撮影画面の全面積に対応する均一輝度の被写体に対して、写真感光材料の感光面上で露光量が均一でない現象。被写体の輝度や原板の濃度に対応しないで、画面に部分的な露光の多少があること。
露出
写真感光材料の感光面に光を照射するために、絞りを設定し、シャッターを開閉する操作。また、写真感光材料に、X線、α線など放射線を照射すること。
露出計
露出を定めるための測光機器。被写体の明るさと使用フィルムの感度を結び付け、撮影に必要な標準露光量を求め、露出するための絞りとシャッター速度を算出する測光器。
露出時間
写真感光材料の感光面を光で照射するため、シャッターが開いている時間。写真感光材料の感度と、感光面の照度に応じてきめられる。シャッター速度の項を参照。
露出値
Fナンバーとシャッターの露出時間との組合わせによって、光量を通過させる能力を示す値。
露出倍数
フィルターの使用時、接写などにおいて像面照度の低下が生ずるが、撮影の際、その低下分を補う必要がある。その補正量を露出倍数という。フィルター使用のときは、フィルター倍数ともいう。
ロングショット
遠くから狙って撮影し、場面の全景が入るようにする撮影法。場面全体の情景を説明し、ふん囲気をだす。
RAWデータ
撮像素子から取り出した電気信号を加工せずにデータ化したもので、専用のソフトを介さないと画像として確認できない。ただ、RAWデータはJPEG特有の圧縮ノイズもなく、ホワイトバランスなどは撮影後に調整できるなど、自由度が高いというメリットがある。
ローパスフィルター
偽色やモアレの発生を最小限にするために、撮像素子に張り付けたり、手前に設置されるフィルター。