銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

思い出の写真の色が、、、ネガは知らず知らずに色が変わる???

2013.11.13

ネガは知らず知らずに色が変わリます。管理の仕方、条件により違いがでます。それでも、4年から6年くらいで変化するといわれています。以前こちらのBLOGで、まだコニカが日本で一番古い写真の会社であった頃、Webサイトで、ネガは60年経っても?OKというのがあり、ネガカラーフィルムの事なのか、歴史的にはその頃誕生していたのかな?という疑問がありました。実験をする関係機関に依頼してはじき出した数値なのかは分かりません。何れにしろネガフィルムは銀塩写真を焼く為に必要な物であり速やかに思い出が薄まる前にプリントしておいた方が良い事は確かです。

話をネガカラーの色の事と、退色性についてお話しします。毎日ネガフィルムを見ていても、23年前から当地で写真店をやっていて、どのくらい古いかは、分かりませんそんな時同じメーカーの同じ感度で見比べますと、古い退色したネガは、色が心持ち薄くなっています。濃い茶系のアンバーの色の違いが見てとれます。

例えば、この何の補正もしないで10年以上前のネガをプリントします。銀塩写真のプリンターですからフォトショップなどインストールされておりません。銀写真のデジタルでしたら、フォトショップでイメージ→色調補正→自動カラー補正 でそこそこ補正が出来ます。

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こちらの場合はネガフィルムの染料色素が退色していったのでしょう?色の問題だけではなく、コントラスト、ガンマも実際は弱くなります。曇った日、晴れた日etcの撮影した条件にも依ります。そこでどのように、調整するかといいますと、兎に角よくみて、元の失った色を探し出すを瞬時にやります。

基本は、Y⇆B M⇆G C⇆R で不足した色を探し出し、次にその量は、経験値がモノをいいます。3原色のバランスを考えて補正をしてゆきます。

職業でやっている場合は、チャリン、チャリンとお金がかかっていますので、失敗が許されません。でも失敗の印画紙の山なんですが、納得出来て、腑に落ちる所を探す訳です。

退色しましたネガの補正のアプローチは技術者の人それぞれです。基本は無彩色を見つけ出しどんな色がイタズラをしてシアングリーンになっているのか?を分析します。

白く見えていても、白ではないな?と思うべきです。次に黒ですが、以外にも黒は長靴に青光りがあり、被っている色が分かります。

ズボンの色が、上着とは微妙に違います。この青みを抜くとグレーになりそうだという推測が出来ます。

それでは、ポイントとしては、人の肌色、面積の多い土の色にシアングリーンが載っています。

あとは、補正の分量です。QSS2301型は技術者のレベルに合わせた任意に設定が出来るようになっています。1キーでも何%設定の小刻みなのか、大きい刻みなのかという事です。ですから印画紙の裏の印字の数字だけでは、実際は何色を補正したのかの程度しか分かりません。

スタジオ・婚礼写真・ブライダルetcの機械は補正値を細かに設定しています。お店の技術者のレベルでピンキリです。

笑えない、お客様の話なのですが、コンテストに出す為にワイド6切りのプリントで、神社の雪のシーンで、雪が白飛びしているので、微妙に雪のデティールをお願いしたら、白い新雪がグレーに焼かれて、うちの機械では、+1濃くするとこのようになると言われなくなく相談に見えました。

キーの補正値は任意調整出来るものなのです。その作業後に元に戻し忘れますと、高く付きます。4%台7%台あとは15%台という感じです。

こちらの場合は黄色が退色しているので+2加算。マゼンタ+3シアンー3で濃度は+11の補正値で焼きました。

一般的には、プリントの試し焼きのチャンネルがあり、5コマ技術者が試したい補正をかけてチャレンジが出来ます。その場合色と濃度と2系統のバランスを考えなければいけません。

2色の系統から補正するのが基本ですが、実焼きで上手くゆくのであれば、結果オーライという事です。印画紙にも様々な種類があります。ラスター・マット・グロスetc微妙に調子が違います。価格も様々です。補正分は人物中心のトリミングをしました。永く農業にたずさわって、写した人と気心がしれているのか良いお顔です。

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