銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

食品偽装と根は一緒なのかな?銀塩写真偽装?、、、

2013.11.25

当店のヘビーユーザーのお客様がメールを下さいました。ロモとKodakのコラボのようですが、、、 ロモ恐るべし。侮るなかれですね。

http://www.lomography.jp/magazine/news/2013/11/25/an-open-letter-to-lomographers-from-kodak-alaris-jp

http://graphics.kodak.com/DocImaging/JP/ja/About_Us/News/2013/130903a.htm

修理サポート会社の人が、銀塩写真の定義を分からず、デジタルプロセスも銀塩写真と言っておりました。顔をみて本当に知らないのか、恍けて言ったのかは、不明ですが、こちらも、問いただしましたので、それ以降は、恐らく専門家として、間違って使う事はないと思います。しかし銀塩写真の定義もさることながら、2000年以降はデジタルのプリンターしか販売されていない筈ですから、銀塩の中古機以外はデジタル機ではないでしょうか。

誤解のないように、言っておきますが、うちでは20年以上前から、IT系の研究員のお客様が近所におりまして、ノートPCをお店に持ち込みレクチャーを受けていました。結構古いMacの時代から、PCを導入して97年から写真と画像を被着体に転写してWebサイトのショップを今でもやっているので、デジタル加工系がメインになっています。デジタルの食わず嫌いではありません。

そもそも、光線というエネルギーをネガに当てて、印画紙に画像を写し、これが露光というプロセスで、レンズで焼くという言い方を銀塩写真を扱う人が使う言葉は、ここからきています。話しが横道にそれますが、写真がアレブレの1970年代は、トリミングをしてレンズを絞り、引伸し機で20分くらい露光しているので、近所の喫茶店まで、珈琲を一杯飲んでから戻る余裕があったといいます。少しグレーに被りが出たりします。

光線なら何でも良いかと言うと、写真の露光方法は様々な工夫がされていて、光源のムラが出ないように、90度にトンネル状の鏡張りのミラートンネルをQSS23型では使っています。デジタルプロセスでは、ネガをスキャナーでデジタル化して、多くはレーザー光線で印画紙に露光しています。レーザーに落ち着くまでは、様々な方法がとられMLVAとか、複数の方法が実用化されました。デジタルの場合、スキャンのドットパーインチのサイズにより変化します。400dpi,300dpi,200dpiこれらの数値は、デジタルプリンターのインターファイスの指定されている推奨サイズです。大判の場合は、データ量が凄い事になりますので、小さめになります。ファームで様々に調整された信号化されたデータをレーザー光で露光しているのが、デジタルのプロセスになります。

銀塩写真の場合、ランプも重要で、PHILPS製のものをずっと使用しています。3ヶ月使用したものが左側で、右側は未使用のNoritsuオーダーのランプです。

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銀塩写真173年の歴史の中で、電気と電子のデジタル変換をする0101のデジタルと銀塩写真は、自ずと違います。ただ、写真のデジタルプリントの世界ではデジタルは、日進月歩進化していて目を見はります。粒子が見えるようにしたり、輪郭補正、ごみ取り、色のメリハリと色調を面でマッピングする技術がファームととして、デジタルプリンターにインストールされています。近所の建築専門のカメラマンとの話しでも実際のプリントの事は、カメラマンはさほど詳しい訳ではありません。私もそうですが、ピクトログラフィーを銀塩とメーカーが言うんだから銀塩なのだろうという程度です。しかしは当時も反論する所は、あれはゼログラフィと言っていました。最近の紛らわしくさせている言葉に、ダースト社のラムダ・シータのプリントを銀塩プリントと呼んでいます。露光を印画紙にデジタル露光して、印画紙をそのままケミカルプロセッサー処理してできたものを、デジタルではなく、銀塩プリントとWeb広告でも言い切っています。アサカメでも銀塩プリントと11月号で書いていました。広告では、このように記述しています。従来の光学式引伸し機とは違い、非常にシャープで豊かな階調が表現できます。

20数年前はQSS製品では、大判用のプロセッサー(ケミカル処理をする機械)+暗室(アナログ引伸し機)でプロラボは手焼きですし、覆い焼きで大判のポスターを焼いてもらっておりました。これを銀塩ポスタープリントと呼んでおりました。露光方法もアナログです。

私が岐路に立たされていた20世紀後半の頃とは違いデジタルの加工が今は上手になっています。ですからそれぞれ好きな方向に進めば良いのです。ただ0円プリントの時代から、公正取引委員会から警告されていた安売りの写真業界です。0101のデジタル化のフィルムスキャニングのプロセスの処理をしているのなら、それはデジタルと表示するべきで、それを銀塩写真として誘導しては食品偽装と同罪でしょう。お客様を欺いている事に違いがありません。

塩化銀で銀塩なのですから、銀塩という言葉は、塩を除いて、銀写真(デジタルの年賀状)という表現をしております

デジタルは以前と違い優れているのですから、銀写真とかデジタル銀写真とか胸を貼ればいいのです。キチンと住み分ければ良いのです。

デジタルがシャープなのか?銀塩写真がシャープなのかに注目しても、ネガ現像のコンディションが崩れていると、前提が崩れます。自家現像をやられているスキルのあるお客様が嘆いておられました。ネガには指紋がべたべたで、折れが入っていたり、ネガフィルムの扱いが雑になっている所も見受けられます。

自戒を込めて言いますが、ルーペで見なければ発見出来ないような脱銀不良が多くなっています。以前からXPIIのように出やすいフィルムはありましたが、よく見ないと発見すら出来ずスルーしてしまいます。その発生の仕方も様々で別なものも巻き込んでいる例も見受けられます。

同業者から教えて頂きましたが、現像機も処分してしまった写真店も多くなっているようです。全国的写真店の数も全国で6,000台と言われておりますし、その中で銀塩写真をやっている店等、数える程である事は間違いの無い事です。絶滅危惧種とさえ言われているようです。

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