銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

6年前に銀塩写真プリンターをQSS19型からQSS23型に変えた時の事ほか ミニラボ銀塩写真の現状

2016.2.26

2011年の3.11の東日本大震災から早いもので5年を迎えようとしております。銀塩写真プリンターに絞って言いますと震災後に関東では、輪番停電が何度かやってきました。今その電力が足りていたにも拘らず行われていたという事実を知ると東電の悪質さに腹立たしく思います。

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震災の輪番停電で電源喪失した4切りワイドまでのQSS19型(一九さん)

銀塩写真は終わらない。

輪番停電が終わり、当時使っていたQSS19型の電源を入れた途端に過電流によって三個ある電圧基板全てを喪失しました。そしてQSS23型に銀塩写真プリンターを交換しました。QSS19型の方も修理して専門学校・大学・写真関連の博物館etcに使って頂きませんか?と声を掛けさせてもらいましたが、全て断られ保存するスペースも無くなくなく処分しました。一九さんと勝手に呼んでいたんですがこの銀塩写真プリンターは2Bネガは固定レンズで焼くしか無くプロトタイプのプリンターでした。その後QSS23型・25型・26型までが銀塩写真プリンターモデルとして全国に数件ミニラボとして存続しています。

・ミニラボ・銀塩写真の現状と環境

昨日、数年振りに同業者の友人からスタジオを廃業すると言う連絡がありました。その先輩も借りている店舗で家賃がきついという事でした。思い出が沢山あるスタジオで、ご本人が決められた事ですので、残念ですが聞き役になるしかありませんでした。

スタジオや銀塩写真が激減しているという話は、Newsにもなりませんが、たまたま日本の人口も今日のNewsでは1億2,700万人と減少という発表でした。

さて5年前QSS23型というプリンターにやむを得ず変えたのですが、タイミングとしては国内最後のQSS23型の現存機として残っているだけ良かったのかなと思います。翌年北海道最後のQSS23型が2台を処分するという情報が入り、1台と1/2台分のパーツを大移動したのが2012年の5月です。パーツ取りして2個いちで動かしていますので、何度もパーツを抜き取り助けられていますので、銀塩写真を続けられているという事を考えますと良い選択でした。

銀塩写真というアナログプリントの継続という意味合いでは、その環境が悪化している事は間違いありません。アナログ印画紙も昨年はじめの2倍近くに高騰しています。ヤフオクに出てくるフィルム現像・CD-R+プリントという安売り店はデジタルです。資本主義の価格競争でし方がありませんが、銀塩写真という内容の本質が伝わらないと言うもどかしさともやもやを持ったまま26年目になります。

・フィルム価格の高騰

フィルムの種類の減少とかKodakのフィルム価格の高騰はありますが、Web検索しますとまとめ買いとか海外からの共同購入とか様々な方法があるようです。米国在住のカメラマンによりますと、Kodakは日本国内のように価格を値上げしていないと言う事。フジフィルムと比べ米国内では、富士フィルムより2割くらいフィルム価格は安いのではないかという事です。

富士フィルムはエテルナRDSというシステムを継続する以上高感度のフィルムを止めてもB&WのACROS100の微粒子フィルムは継続するでしょう。

日本のカラーフィルム草創期にいつか戻るのだろうか? 逞しく好きな事の為にKODAKの5254の映画フィルムをマガジンに詰め直して使っていたりしたわけですから、その時になればアイディアは出てくるものです。

・フィルムで撮って何故銀塩写真にこだわるのか?

フィルムは様々な種類があります。それらの特徴がアナログ銀塩写真では表現される。理由は銀塩写真を得る為にフィルムはあります。ネガに光を当ててアナログ銀塩写真にしてきた歴史の伝統が176年目にあたります。フィルムをスキャナーで仮想デジタルデータを焼いているデジタルプリントしているモノとは自ずと違います。多くのお客様からその印象を語られますし、若いプロの方々もそこを指摘して下さいます。

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20世紀中の画像ですが、デジタルのファームの方も進化しておりますので、良くなっていますが彩度の派手さは変わらず、肉眼に近いアナログの銀塩写真の優しい色合いは一日の長があります。

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現在稼働中のA3ワイドまで焼けるQSS23型

まとめ

フィルム減少する最中でも生き残る独自の方法で只継続するのみです。母液をいためない為には、休まず機械を動かすという事に尽きると思います

そう信じて26年目の年を迎えました。

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