予断で、判断する事も良くないので、巻き上げ部がロックしていますので暗室で露光しないように分解しました。
前回の水没もそうですが,使い捨てカメラの構造が未露光フィルムが裸の状態でぐるぐる巻きにしてあり,撮影し
たものを、フィルムマガジンに巻き取ってゆく仕組みになっております。
どの状態で,ロックしているのかが不明なので,分解するしかありません。無理矢理巻き上げて,フィルムに傷を
つけては困ります。
全体の1/3位でマガジンの遮光用のリボンが,水没した時に,フィルムマガジンとフィルムの乳剤と仲が良くなり,
くっついたまま巻き上げも止まってしまう程ロックしてしまったようです。
今年は,水没の当たり年で2度目です。今日も写ルンですのウオータープルーフを現像しましたが,問題はあり
ませんでした。
話を戻しますと,フィルムが救済出来なかったのが,フィルムマガジンのリボンとくっ付いた一コマのみで他は
何とかプリントはできました。
水没していますので,色は黄色くなったり,上下で色の変化になったりしています。
今回のフィルムは、保育園の一番身近かな先生が園児の『失ってゆく時の記録』を記録している写真なので、
当然最善のプリントで残す事が重要だと思います。
使い捨てカメラの分解は『良い子は危険なのでまねしないで下さい』
ー銀塩写真を続ける為の『銀塩魂』ー
保育園で先生が子供たちの日常を撮影しているのですが、フラッシュを発光せずに、撮り失敗している場合が
あります。以前は、綺麗に焼けないので、スルーして焼きませんでした。
しかし依頼者からは、親御さんの心情は、写真の善し悪しではなく、子供の保育園での様子が知りたく
こんなん風な寝相で、お昼寝しているとか、プールで、水遊びだったり、滑り台で、元気で遊んでいる姿は
働いていて、同じ時間を共有出来ない親御さんの心情なのかもしれません。
そう考えますと、たかが写真 されど写真 という一片の写真の持つ重さと責任を感じざるを得ません。
それは、大げさに言うと、生命と死の必然性であり、銀塩写真は『失ってゆく時の記録』なのです。
ー『忘れまじ東北・石巻』ー
今回の『忘れまじ東北』は石巻の津波で壊れた防波堤が完成し、海岸部の地盤沈下が1mくらいあり、
今まで水面下だった所を中心に、遺体捜索を特殊重機で始まったということです。
石巻だけで300人以上が未だ見つかっていないようです。
東松島市の当たりでは、海岸部の道路脇に半分だけ水に漬かった水没した軽自動車がありました。