銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

続トラブルが止まらない。3日も連続して銀塩写真が焼けないなんて、ピンチ!そして結果は

2014.1.10

この2日間のアドバイスと、問題点の整理の相談相手は、機械メーカーのサポセンの方々です。都合4名で初日5日は1人でその人には、PL法を楯に教えられないとか、機械を製造しつつ、こんな事まで言ってきます。この方は、以前ネガマスクに使われているウレタンの8mm程のローラーをあらためて製造してもらった場合の見積担当者です。2個で占めて、約30万円という回答でした。しかも恐らくセンターの上に立つ人で、銀塩写真とデジタルプリントの違いを知らなかった人で、ある意味忘れられない人で名前を覚えておりました。

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QSS23型は、20世紀の機械で1997年10月製造の機械です。当時は、銀塩写真がピークの頃で、トヨタよりもFUJIFILMが売り上げが上の頃だったかと記憶しています。17年前でばりばり仕事やっていなければ、機械のサポートはできません。ですからサポートセンター内で分かる人は10人もいない筈です。その内、代わる代わる4名の人にお世話になりました。

トラブル解決の為には、どこに問題があるかを切り分けします。最初のトラブルが重要で、印画紙のマスク(ペーパーマスク)のトラブルでパルスモーターかPMドライバーのどちらか?そこでPMドライバーがくさい。という事でPMドライバーを交換しましたが、解決しなかった。

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そこで部品取りのペーパーマスクに取り替えても解決しませんでした。さらに、プリント作業が溜るので、それを解決する為に原因であったペーパーマスクを取り外して、緊急避難的にマスクなしプリント作業に切替ていざプリントしようとすると、印画紙がケミカルの直前で停止するトラブルがおこります。

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トラブルの連鎖で、搬送盤関連が4カ所あり、ペーパーマスク2カ所のエラーです。回路図もなく関連する機器を確認したところ、露光台基板、メインコントロール基板と言う回答です。1月7日のサポセンの終了間際に4人目の方が電話に出られ、この3日間の履歴をPCで見てくれていて、他の方とは違う説明をし始めました。露光台基板のところに、4個のヒューズがありそこのヒューズを確認して欲しいというものです。

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右から2個目のヒューズが切れていました。ヒューズを交換し、問題がない事を確認後、トラブル前の記録用のフロッピーディスクを読み込ませてトラブル前に戻り、ペーパーマスクも使えるようになりました。全面復旧です。銀塩写真がまた焼ける事になり結構夜中にハイテンションになりました。

溜った焼きをやり帰宅が明け方の4時です。この3日の合計睡眠時間は10時間くらいかな?正月早々何やっていたんだろうね!

お客様には、本当にご迷惑をお掛け致しました。申し訳ございませんでした。

今回の件で、学習しなければならないのは、印画紙マスクのPMドライバーを取り替えたところまでは、正しい対応で、ペーパーマスクを設定解除後に、何らかの影響で、ヒューズが切れ、トラブルが多発して原因がわからず、迷走してしまった。

反省点は、PMドライバーに影響する箇所として露光台基板・メインコントロール基板と確認した1/6日の時に、ブレーカーを落とし、除電してから、関係するヒューズの抜き差し確認をすべきでした。古い機械なので機器の手当と交換にばかりに気をとられ、ヒューズのチェックという基本に忠実ではありませんでした。それは何故か、基板に立っているヒューズを支えている金属を破損させたら、それでアウトになります。それも重大なリスクです。

基板のある場所が暗く、QSS19型の時にもありましたが、懐中電灯を照らしただけでは、ヒューズが切れているのが分からない時もあります。ヒューズの金属の部分の端が溶断してヒューズは損傷しているようには見えない時がありますので、ヒューズの抜き差し確認が良いです。

銀塩写真をプリントする時の具体的な情報も今後出してゆきたいと思います。

PCのモニターetcで、見る場合その環境で随分違うし、EIZOだの上を見れば切りがない訳で、sRGBだのつけ込まれそうなので、MacとWinの内のモニターでの話とご理解下さい。約1577万色、トゥルカラー(10億色)があると言われ、何故、銀塩写真がこの色なのかという疑問が出る場合があるでしょう。

言い訳になるでしょうが、QSS23型は当時も今もSONYのトリニトロンのモニターを見て焼いております。飽くまでも、1997年当時のレベルでは、フィルムのアルゴリズムに添って、焼く事になります。

同時プリントはたたき台であり、フィルムの長さ 1/分母で焼いている結果であり、時間と空間の色は、雰囲気のある場合はいかして補正せずに焼きます。

逆に、昼光色(5500K)フィルムでオレンジ色の夕陽や朝陽を撮っても、印象色からは、かけ離れます。その場合は、焼き手としては、雰囲気を壊さない程度に、Y+Mを加えて焼いています。

銀塩写真としての良さが出ている時は、同時プリントでも風景のみであれば、はっきり出るようにしていますし、人物入の場合は人肌優先で焼きます。

焼き手がかわれば、写真のニュアンスの捉え方も変化する事でしょう。

カメラマン出身者が銀塩写真が好きで、焼いている訳です。蛍光灯やMix光源でも補正したくなります。

ある大学の尊敬する名誉教授の先生があみ出した方法で、グレーをフィルムで撮り込みプリントすると無補正で撮影者のそのままのニュアンスのプリントができるという理論でした。もう何年も前のお話ですよ。

23年間銀塩写真を焼いていて、一本のフィルムには様々なシーンが写し込まれ、蛍光灯(輝線)下では、補正もします。一本のフィルムで4シーン~6シーンが普通に写し込まれています。

もっと面倒くさい言い方をしますと、FUJIFILM系とKodakでは、フィルムの輝線の反応が、違って記録されます。輝線下では、露出オーバー目の方が、綺麗に焼けます。

話を戻しますと、尊敬する先程の先生に今考えますと無謀にも、理論どおりの無補正写真と、日常の私の焼き方とを、先生とのメールのやり取りにある時画像添付しましたところ、先生から、返信が今も来ず、絶縁状態になりました。

3日の間修理に追われて、これが私のフィルムと銀塩写真を焼くというスタンスです。

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